会津朝日岳
第一北稜/北西尾根

日程2026年3月22日~3月24日
メンバーJOHSON、ごっくん、中澤 慧 (計3名)
ルート白沢~避難小屋、第一北稜、北西尾根
※白沢集落内へ駐車しないように。除雪の邪魔にならないように配慮すること。
タイム3/22 白沢(8:50)-避難小屋(14:00)
合計5時間10分
3/23
C1(5:30)-第一北稜取り付き(6:00)-稜線(9:50)-会津朝日岳(10:00)-避難小屋(10:30/11:20)-長須が玉(13:00)
合計7時間30分
3/24
C2(6:40)-会津朝日岳(10:00)-白沢(14:45)
合計7時間5分

南魚沼市に移住してから冬山は(といっても主に山スキーしかしていないが)魚沼周辺でしか遊ばなくなったので、只見は遠のいていた。と言っても、会津朝日岳は丸山岳への縦走で来たので一ヶ月ぶりだ(翌週も只見町なので3週連続になった)。住んでいる南魚沼市から、只見町までは下道で5時間かかるので、なかなか遠い。冬は252号線が使えないので回り込む必要がある。

今回は会津朝日岳の冬期初登ルートである、第一北稜を登る。(出典:1963/12 稜溪山岳会 『山と高原』No.337)
丸山岳のブログでも全く同じことを書いたが、普通、初登ルートというのは最も取り付き易いところになるはずなのに、今ではまったく歩く人のいないこの尾根と第二北稜が選ばれていて、当時の人たちの安易さを避けている志向が伺える。

中央の藪尾根が第一北稜。会越特有の五葉松が生えている。

3/22 (1日目)

めちゃくちゃ天気の良い日。深夜から登り始めて上で朝焼けを見たいところだが、ごっくんが連日の雪山で疲れているようでのんびり出発。彼の家で朝ごはんを食べてから白沢を出る。

大学の山岳部かよってくらいバカみたいでデカくて重いザックを背負って、バカみたいに速いペースで歩いていく。ついていくのが大変。軽量の0泊ロングが流行しているが、正統派山ヤ感が漂う。

クソデカザック RIPEN マカルー80L

厳冬期はいわなの里から入滝沢右岸尾根をスキーで登るルートを取って、今後のスタンダードになると思うほどかなりよかった。今日は夏道尾根から登る。やはりデブリがあって、降雪中や昇温時は避けたいところだ。厳冬期でも条件さえよければ最短で叶の高手までたどり着けるが、積極的には使いたくない。

ハロ
クソデカザックで爆走するごっくん

叶の高手まで登れば、避難小屋まではもう標高差はない。時間もあるのでのんびり進む。2月に来たときにも、もう春だなあと思ったが、それよりもさらに季節が進んでいる。暖かくて残雪期のような2月でも空気はやはり冬だったのだと今になって思う。

朝日岳の大クロベ。
会津朝日岳へ向かう山岳部のような二人

途中に皮の剥げたブナがあった。虫、鳥、熊、犯人は誰だろうか。おそらく鳥の気がする。

皮が剥げたブナがあった。

観察した第一北稜は雪稜と言うよりは藪尾根に思えた。下部は見えなかった。
避難小屋は窓ガラスが割れて雪が吹き込んでいた。適当に除雪してテントを貼って、外でのんびり過ごした。

日が傾くと影が伸びていく

3/23 (2日目) 第一北稜

明るくなるのと同時に動いて、楢戸沢へと下る。厳しかった楢戸沢は雪の下だ。それでも側壁に険悪なゴルジュの様子が見え隠れする。末端から第一北稜へ取り付く。少し登ってからロープを出す。

朝の楢戸沢へ降り立つ。
末端から取り付く

ピッケルは「縦走用のやつ一本でいいよ」って言われたので、それを持ってきた。車で準備をしていると二人ともクォーク2本でおいおいとなって、慌てて車に積んでいたスキー用のガリーも加えて2本にした。

リードはおまかせ。慣れてる人ならロープはいらないかもしれない。
しばらくアックスやロープを出すような雪山は行っていなかったので一応ロープを出してもらう。クォークを持ってくればよかった。リーシュがその場でスリングをつけただけだったのでスイベルが無いから絡まって大変だった。久しぶりの雪稜はけっこう楽しかった。

登っていく。雪の張り出しにロープが引っかかった。
只見の山々を背後に

4Pロープを伸ばせば、小屋から見えていた五葉松の尾根になった。天気はよく、暑いので日陰を選びながらグイグイ登る。

稜線が眼の前
乗越していく

稜線で一ヶ所だけロープを出した。会津朝日岳の山頂はすぐだった。

丸山岳

丸山岳がよく見える。時間もあるので、今日中に長須が玉へ移動して明日は八本歯をやることにした。第一北稜から見えていたブナの台地に行けることが嬉しかった。

避難小屋で荷物を撤収したらもう一度楢戸沢へ。
今朝「ここは昼間とか日があたって昇温してるときは居たくないね~」「朝で雪がしまっててよかったねえ」と言いながら歩いていた楢戸沢をズブズブのザラメラッセルでわたっていく。
沢なので風もなく、汗がダラダラと落ちてとんでもない灼熱だった。

楢戸沢を渡って登っていく。写真右側が第一北稜の末端。

急登を登り切るとブナの台地。ああ、南会津だ。

北西尾根とブナの台地
ブナの森。隣が楢戸とは思えない。

ガチャとハーネスをつけて、クォークを持って歩くのには似合わない別天地だった。
テントを設営したら散歩に出かける。

会津朝日岳を背に幕営。長須が玉は最高の場所だ。

のんびりしている二人に手を振りながらお散歩。
尾根を歩くと大川猿倉山と毛猛連山が見えた。夏に高倉山から長須が玉まで藪こぎしたというごっくんだが、高倉山は信じられないような遠さだった。

長須が玉でのんびり。
村杉半島 大川猿倉山と毛猛

明日登る八本歯と会津朝日岳の南壁が雄々しかった。豪華なご飯をごちそうになって眠る。

会津朝日岳 南壁

3/24 (3日目) 北西尾根 八本歯

夜に雨は降ったが朝は予報より天気はよい。結局3日間とも予報よりだいぶよく、毎日遊ぶことができた。曇天の中北西尾根を進んでいく。

ぼんやりとガスが取れていく。

傾斜が経ってきたところで1P目のロープ。出だしが悪くてフォローでも苦戦した。
その後は難しいところはとくになく進んでいく。一ヶ所わたしが見切り発車でフリーソロしたら怖くて戻り、普通にロープを出してもらう。

だんだんとチラ見えする要塞のような壁が本当に登れるんだろうかと不安になる。

八本歯を行く。中央の二本は登れるのだろうか。
藪リッジ

跨ぎながらでないと厳しいようなリッジが一ヶ所あったが、回り込むことができた。ここでロープを畳む。

越えてきたリッジと高倉山
鶏のようなブロック

遠目から見えていた壁は左側がゆるくて普通に登れた。踏み抜きと藪で、なかなか山らしい感じだった。

山頂までもうすぐ

ロープを畳んで、第一北稜の頭まで歩いて、トレースに合流。昨日ロープを出したところも、階段になってるのでそのまま越えて、1日ぶりの会津朝日岳の山頂へ。

あとはのんびりと降りる。緩んだ雪はズボズボで大変だった。赤倉沢はデブリだらけで行きのトレースもかなり埋まっていた。やはりリスクはそれなりにあるルートだ。

北西尾根をやるなら高倉山から繋いだり、小戸沢中間尾根から繋ぐのが美しいだろう。我々は八本歯だけを切り取った形だ。それでも今回のラインだったからこそ、ブナの台地を歩くことができた。彷徨うように、また訪れたい。

ブログ一覧に戻る